科学と芸術(3)

(申し遅れましたが、前回からのお話は、岩崎先生から送っていただいたテキストをもとに書いています。)最後の2点のうち、「科学はアートの集合の一部」とは、科学的行為自体に(「オッカムの剃刀」のような)ある種の美学が存在すること、逆に近代以降の芸術においても、「理解」の重視、新規性・独創性・面白さの重視、通常隠されているものの暴露(「通常」の相対化)といった科学のそれと重なる態度が見られること、を指しています(岩崎秀雄「バイオメディア・アート:美学的見地から観た合成生物学の可能性」『科学』別冊、岩波書店、2010年、pp.747-754, p.753)。ふつうと思われていることをあらためて問い、相対化する、たしかにこれは、両者に共通する態度です。