科学と芸術(4)

最後の「芸術=科学」というのも暴論である、というのは、芸術は次のような特徴を持つからです。すなわち、「作者と鑑賞者の読解が必ずしも一致しなくてよいとする慣習、圧倒的なオープンテキスト性、永続的な(答えの出ない)問いかけの許容(中略)、知覚・感覚体験の重視、必ずしも論理的整合性に拘泥しない立場、科学的知見・手法・成果の相対化、とりわけ現代芸術において、そもそも「芸術でないもの」を定義しにくいという現実(科学は非科学的なものを強度に分別する)」(同上)。これらは、芸術と科学の関係を考えるうえで、重要な指摘です。